「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~

ヘルマン・サルディバル

 大皿にあれだけの量のサンドイッチがのっていたはずなのに、気がついたときにはもうなくなっていた。

 クストディオとヘルマンという二人の男性がいるから、食べる量は半端ないわよね。

 レディのわたしが、若い男性ほど食べられるわけがない。

 そのはず、よ。

 ということにしておく。

「ほんとうに美味しかった。エド、フェリペ、ごめんなさい。あなたたちだってお腹が減っているでしょう。あなたたちの分、ちゃんとあるのかしら?」

 うしろに立っているエドムンドとフェリペに尋ねてみた。

 いまさら、だけど。
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