「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「なっ、なぜだ?」
「バカバカバカッ! あなたって最低っ」

 グイグイと押すも、彼はビクともしない。

「カヨ様、大丈夫ですか?」

 そのとき、廊下側の扉からエドムンドの声がノックとともにきこえてきた。

「エド、ここに最悪最低男がいるの。つまみ出してちょうだい」

 とにかく、クストディオの顔を見たくなかった。

 よりいっそう声を張り上げ、頼んでいた。
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