「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
その価値観はどうあれ、とりあえずおれは暗殺された国王の子に間違いない。しかも、おれの尻にある醜い痣は、国王になる証らしい。
まるで書物に出てくる王様系の筋書きだ。
その箇所を読んだとき、まずそう思った。
神託なのか、あるいは受け継がれている話なのかはわからない。だが、おれは亡き国王、つまり父と当時の大司祭が苦し紛れに考え出したごまかしだと思っている。
政治的なこと、母からの圧力、こういったもろもろの事情で父はおれを跡継ぎにしなければならなかったわけだ。
真実はわからない。なにせ当事者たちはもうこの世にいないのだ。
あるのは、手元にある父の遺言書とおれ自身。正確には、おれの尻の醜い痣だ。
この痣こそが、おれが「生まれながらの王」として証明出来る唯一のもの。
まるで書物に出てくる王様系の筋書きだ。
その箇所を読んだとき、まずそう思った。
神託なのか、あるいは受け継がれている話なのかはわからない。だが、おれは亡き国王、つまり父と当時の大司祭が苦し紛れに考え出したごまかしだと思っている。
政治的なこと、母からの圧力、こういったもろもろの事情で父はおれを跡継ぎにしなければならなかったわけだ。
真実はわからない。なにせ当事者たちはもうこの世にいないのだ。
あるのは、手元にある父の遺言書とおれ自身。正確には、おれの尻の醜い痣だ。
この痣こそが、おれが「生まれながらの王」として証明出来る唯一のもの。