「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 その時代遅れっぽいデザインと陽に焼けたくたびれ感はさておき、とりあえずその黒色のスーツ以外には考えられなかった。

 試着すると、まるであつらえたかのようにぴったりだった。

 店主曰く、「ぽっちゃり体型のレディでも難なく着用出来ますよ」とのこと。

 店主の右頬をつねってやりたい衝動をおさえ、即決した。

 その黒色のスーツを着用しているというわけ。

 王宮の門で証明書をかざすと、魔法のように門が開いて中にいれてくれた。

 同道しているのは、もちろんエドムンドとフェリペ。

 三人で堂々と王宮に入って行った。
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