「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
【カヨ・セプルベタ視点】

王子たちがやって来た

 ハッと目が覚めた。

(なんてことかしら。囚われの身だというのに、呑気に熟睡してしまっていたの?)

 わたしってば、ほんとうに厚顔無恥よね。

 自分でも呆れ返ってしまう。

 これって、心身ともに疲れ果てているからだわ。

 ということにしておく。

 これまでのことをまとめようと決めたところまでは覚えている。結局、まとめに入る前に落ちてしまったらしい。

 あいかわらず目覚めはすっきりしている。だけれ、いまはまだこのまま大の字に寝っ転がっていたい。

 蔦の這っている窓ガラスから、陽が射しこんでいる。残念ながら、その陽射しが朝のものかお昼のものかはわからない。
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