「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
せせら笑ってみせた。
アルファーロ帝国にいた頃、元婚約者の政敵たちに向ってよくやっていたからお手の物なのよね。
「これだからレディってやつは、始末に負えない。もっとうスマートに考えられないのか?」
そのとき、車椅子の青年が吐き捨てるように言った。
悪意ある笑みが青白い顔に浮かんでいる。
いまは、世を拗ねているようなそんな雰囲気を醸し出している。
「あら? あなたが第三王子のクレメンテ・サルディバルね。はじめまして。わたしのことはよくご存じのようだから、いまさら名乗る必要はないわね」
「ふんっ」
あらら。ずいぶんと可愛気のない王子様だこと。
両親がまったく同じだといえ、あのアルマンドがずいぶんと気にかけているくらいだから、てっきり肉体的にも精神的にも弱い王子だとばかり思っていた。
だけど、どうやら違ったみたい。
頭がいい分、性格がひねくれているのかもしれない。
「まあいいわ。それで、つぎはなにかしら? クストの居場所を知りたいわけ? エドとフェリペの命と引き換えに教えろ、とか?」
「物わかりのいいレディは、嫌いではない」
アルマンドは、さわやかな笑声をあげた。
アルファーロ帝国にいた頃、元婚約者の政敵たちに向ってよくやっていたからお手の物なのよね。
「これだからレディってやつは、始末に負えない。もっとうスマートに考えられないのか?」
そのとき、車椅子の青年が吐き捨てるように言った。
悪意ある笑みが青白い顔に浮かんでいる。
いまは、世を拗ねているようなそんな雰囲気を醸し出している。
「あら? あなたが第三王子のクレメンテ・サルディバルね。はじめまして。わたしのことはよくご存じのようだから、いまさら名乗る必要はないわね」
「ふんっ」
あらら。ずいぶんと可愛気のない王子様だこと。
両親がまったく同じだといえ、あのアルマンドがずいぶんと気にかけているくらいだから、てっきり肉体的にも精神的にも弱い王子だとばかり思っていた。
だけど、どうやら違ったみたい。
頭がいい分、性格がひねくれているのかもしれない。
「まあいいわ。それで、つぎはなにかしら? クストの居場所を知りたいわけ? エドとフェリペの命と引き換えに教えろ、とか?」
「物わかりのいいレディは、嫌いではない」
アルマンドは、さわやかな笑声をあげた。