「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「残念だわ。知らないのよ。フェリペは囀らなかった? ケンカしたのよ。クスト、とだけど。彼がわたしたちをこんなくだらない争いに巻き込んだというのに、傲慢すぎるし他人任せすぎるから。だから、宰相の雇われ暗殺者たちを追い払った後に彼も追い払ったわけ。もしかしたら、ほんとうに死んでいるかもしれないわね。逃げた暗殺者たちに見つかったら、おしまいだから」
一瞬、アルマンドとヘルマンが視線を絡ませ合ったのを見逃さなかった。
「わたしに尋ねなくても、ヘルマンならクストがどうなったか調べられるんじゃない?」
一息入れるついでに、わざとらしく溜め息をつく。
「こんなやり取りはまどろっこしいわ。おおげさに近衛兵まで巻き込んでわたしをハメたからには、なにかわたしにさせたいのでしょう? あるいは、なにかして欲しいのかしら? というか、わたしはいまやバラデス王国にとって国賊よね? そのわたしに、王子三人が護衛もつけずに会いにきていいわけ?」
アルマンドたちに背をを向けると、寝台までゆっくり歩いた。そして、そこに腰をかけた。
いまのところお腹の虫はおとなしくしているけれど、いつまた騒ぎ始めるかわからない。
冗談抜きでほんとうに「世紀の悪女」となったわたしなのに、ところ状況かまわずお腹が鳴りまくったら、ただの「食いしん坊レディ」という印象を与えてしまう。
一瞬、アルマンドとヘルマンが視線を絡ませ合ったのを見逃さなかった。
「わたしに尋ねなくても、ヘルマンならクストがどうなったか調べられるんじゃない?」
一息入れるついでに、わざとらしく溜め息をつく。
「こんなやり取りはまどろっこしいわ。おおげさに近衛兵まで巻き込んでわたしをハメたからには、なにかわたしにさせたいのでしょう? あるいは、なにかして欲しいのかしら? というか、わたしはいまやバラデス王国にとって国賊よね? そのわたしに、王子三人が護衛もつけずに会いにきていいわけ?」
アルマンドたちに背をを向けると、寝台までゆっくり歩いた。そして、そこに腰をかけた。
いまのところお腹の虫はおとなしくしているけれど、いつまた騒ぎ始めるかわからない。
冗談抜きでほんとうに「世紀の悪女」となったわたしなのに、ところ状況かまわずお腹が鳴りまくったら、ただの「食いしん坊レディ」という印象を与えてしまう。