「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「なるほど。それで? おれが雇ったか、あるいは差し向けた連中だというわけだな」
宰相は、木製のベンチからおれを見上げた。
「アルマンドがそう言ったか? おれがすぐにでもおまえらを殺すだろう、とな」
彼は、渋い美貌に凶悪な笑みを閃かせた。
アルマンドの名前が出た瞬間、背後にいる黒服たちに視線を走らせてしまった。
「ああ、心配はいらない。あの二人のどちらもおれを裏切っていないからな」
「ええ、わかっています。アルマンドのスパイのふりをしているだけでしょう?」
「はした金、でな。おれの情報一つにつき、金貨たったの一枚らしい。おれもみくびられたものだ」
「それは割に合いませんね。あなたの情報なら、おれなら金貨二枚払いますよ」
宰相は、木製のベンチからおれを見上げた。
「アルマンドがそう言ったか? おれがすぐにでもおまえらを殺すだろう、とな」
彼は、渋い美貌に凶悪な笑みを閃かせた。
アルマンドの名前が出た瞬間、背後にいる黒服たちに視線を走らせてしまった。
「ああ、心配はいらない。あの二人のどちらもおれを裏切っていないからな」
「ええ、わかっています。アルマンドのスパイのふりをしているだけでしょう?」
「はした金、でな。おれの情報一つにつき、金貨たったの一枚らしい。おれもみくびられたものだ」
「それは割に合いませんね。あなたの情報なら、おれなら金貨二枚払いますよ」