「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 彼女だけではない。エドムンドとフェリペも危険にかわりはない。

 だから、フェリペに頼んだ。

 どうせ連中は、カヨの命を餌にしておれの居場所を尋ねるはずだ。おれが死んだという噂は信じていないだろうから。「そのときには、ペラペラと囀ってくれ」と頼んだのだ。

 こういうことは、エドムンドよりも可愛い系のフェリペの方が効果が抜群だろう。

 彼女が王宮に乗り込んでいる間、おれは宰相を説得する役目を担った。

 彼を味方にし、王子たちの鼻を明かすのだ。

 昨日の敵は今日の友、というから。もしかすると、今日の味方は明日の敵、になりえるかもしれないが。

 とにかく、この異色タッグなら、王子たちに「ざまぁみろ」を突きつけられるかもしれない。

 話し終えると、宰相は大笑いを始めた。
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