「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「クスト。夫婦のふり、大丈夫よね?」
「もちろんだとも」

 了承を求めると、クストディオはホッとしたようにおおきく頷いた。

「そうでした。クレメンテは断頭台、アルマンドとヘルマンは毒杯を賜るということです」

 和やかな空気を乱すかのように、エドムンド唐突に報告した。その瞬間、クストディオの表情が険しくなった。彼は、エドムンドをにらみつけた。エドムンドもまた、負けじとクストディオを鋭く睨み返す。

 しばし睨み合う二人。

 そんな彼らの緊張感が心地いい。

 それにしても、三人の王子の処分は寛容ではなかったのね。
< 422 / 426 >

この作品をシェア

pagetop