「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする～手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある？～

　味は予想通り最高に美味しかった。量も腹八分目でちょうどいい。

　会話もはずんだ。というか、クストディオとわたしが彼らにいろいろ尋ね、彼らが言葉すくなめに答えてくれた。
　会話というよりかは、尋問と表現すべきなのかもしれない。

　だけど、彼らのことがいろいろ知れた。もちろん答えてくれていないこともあるし、嘘やごまかしもあるかもしれない。
　それでもこれまでのようにまったく情報がなかったわけではない。
　
　その中で一番驚きだったのは、彼らはこのバラデス王国の出身ではなく、アルファ―ロ帝国の出身だったということである。
　
　アルファ―ロ帝国の出身なのにバラデス王国の諜報員をしているなんて、意外だった。