「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「エドムンド、あなたは知っているの?」

 尋ねずにはいられない。

 国王がだれに暗殺されたか、についてである。

「先にお伝えしますが、おれたちは諜報員であって暗殺者ではありません」
「わかっているわ。なにもあなたたちが暗殺したとは思っていないの」
「安心しました。誤解を与えているかと。先程のあなたの問いに対する答えは、『知らない』です。ですが、推測はしています。黒幕について、ですが」
「その黒幕は、彼も殺すかしら?」
< 99 / 426 >

この作品をシェア

pagetop