近頃なぜか気になる彼は、親友の弟くん☆

第14話 めがね

 わたしは急にめがねをかけなくてはならなくなった。
 お父さんも目が悪いので、たぶん遺伝みたいです。

「あーあ、やだなあ」

 わたしは眼科のある病院の待合室から、憂うつな気分でした。

「結《ゆい》によく似合ってるわよ、そのめがね。とっても可愛いから自信持って!」

 お母さんにいくら可愛いって言ってもらえても。
 ぜんぜん嬉しくなかったです。

 だってね。
 このあいだ学校にめがねをかけてきた子が、すごいひやかされてて。

 なんだかその子が可愛そうだったからね。
 わたしと他の女子たちで、そのひやかした男子に文句を言ったの。
 そしたら、軽い言い合いのつもりが、白熱したけんかになっちゃった。

 いつのまにか、クラス全部が大騒ぎの、女子対男子の口げんかバトルになっちゃった。

 その始めにからかった男子が謝ってきて、なんとか収まったけど。

 はあぁ〜、気が重いです。

 
 あとね。
 かっちゃんに見られたくないな。
 わたしのめがね姿。
 だって、ぜんぜん似合ってないんだもん。
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