天使が消えた跡は
第3章 悪魔って存在するの?
悪魔を倒すくらいの力はある。
確かにルークはそう言った。しかし、薫にはそんな実感は微塵もなかった。
普通の親から生まれた普通の子供。普通の女子高生。ちょっと運動神経がいいだけの凡人にそんな力があるなんてない。そう思っていた。
「疑っているような目だね」
そう言って小さく微笑むルーク。
「説明しなければいけないことがあるんだ。王子が今いる島には、たくさんの天使が匿われている」
たくさんの天使? 天使はルークだけじゃないの?
「昔々、それは残酷な恋愛をしてしまった天使と悪魔が居たんだ」
薫は無言でルークの話を聞く。
「その時、天界から天使が地上に落とされてしまってね。
それからだよ地球上に天使が生まれ始めたのは。最初に天使を見た人は驚いたことだろうね。
歴代の王子はその天使たちが迫害されないように地上に降りて彼女たちをかくまうことにしたんだ」
「彼女たち? みんな女性なの?」
「そう。地上に落とされた天使ののろいじゃないかなんて噂も経ったりして。
でも、その真意は地球に降りてきた初代の王子しか知らないんだ。彼女たち天使は死ぬことが出来ない。
厳密にいえば死ぬことは出来るのだけれど、何百年という長い寿命を持つことになったんだ。
そんな彼女たちが幸せに生きて行けるように初代王子は地球上の誰も知らない場所に島を作って、そこを隠れ家にしたんだよ」
「一体、どのくらいの天使が隠れているの?」
「5000万人くらいかな」
「ごせん……!?」
「そろそろ場所が足りなくなってきてね。そんな時に悪魔に身を売った天使が現れた。
それは俺たちの島ではないどこかの場所。大きなニュースにもならないひっそりとした場所で天使が生まれて、悪魔に変わろうとしている。
島の中だけでは隠し切れなくなったし、島の外の人間たちを助けなくちゃいけないし、もしかしたらどこかで同じ様に天使が生まれているのかもしれないし。
状況が変わったんだ。天使をこれ以上隠しておくわけにはいかなくなった」
「隠せなくなったって、どうするの?」
「それで、天使になる予兆のある人物を10人選んで、大きなニュースにして天使の存在をゆっくり証言していこうと思ったんだ。それで、王子はその人物10人に会いに行ったんだよ」
『また会えるよ』そう言った天使は王子だったんだ。
確かにルークはそう言った。しかし、薫にはそんな実感は微塵もなかった。
普通の親から生まれた普通の子供。普通の女子高生。ちょっと運動神経がいいだけの凡人にそんな力があるなんてない。そう思っていた。
「疑っているような目だね」
そう言って小さく微笑むルーク。
「説明しなければいけないことがあるんだ。王子が今いる島には、たくさんの天使が匿われている」
たくさんの天使? 天使はルークだけじゃないの?
「昔々、それは残酷な恋愛をしてしまった天使と悪魔が居たんだ」
薫は無言でルークの話を聞く。
「その時、天界から天使が地上に落とされてしまってね。
それからだよ地球上に天使が生まれ始めたのは。最初に天使を見た人は驚いたことだろうね。
歴代の王子はその天使たちが迫害されないように地上に降りて彼女たちをかくまうことにしたんだ」
「彼女たち? みんな女性なの?」
「そう。地上に落とされた天使ののろいじゃないかなんて噂も経ったりして。
でも、その真意は地球に降りてきた初代の王子しか知らないんだ。彼女たち天使は死ぬことが出来ない。
厳密にいえば死ぬことは出来るのだけれど、何百年という長い寿命を持つことになったんだ。
そんな彼女たちが幸せに生きて行けるように初代王子は地球上の誰も知らない場所に島を作って、そこを隠れ家にしたんだよ」
「一体、どのくらいの天使が隠れているの?」
「5000万人くらいかな」
「ごせん……!?」
「そろそろ場所が足りなくなってきてね。そんな時に悪魔に身を売った天使が現れた。
それは俺たちの島ではないどこかの場所。大きなニュースにもならないひっそりとした場所で天使が生まれて、悪魔に変わろうとしている。
島の中だけでは隠し切れなくなったし、島の外の人間たちを助けなくちゃいけないし、もしかしたらどこかで同じ様に天使が生まれているのかもしれないし。
状況が変わったんだ。天使をこれ以上隠しておくわけにはいかなくなった」
「隠せなくなったって、どうするの?」
「それで、天使になる予兆のある人物を10人選んで、大きなニュースにして天使の存在をゆっくり証言していこうと思ったんだ。それで、王子はその人物10人に会いに行ったんだよ」
『また会えるよ』そう言った天使は王子だったんだ。