【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
 エミーリアは着替えを済ませると、フリージアの部屋の扉を叩いた。
 彼女はやはり部屋にいたようだ。
 中に入ってくるようにと促される。
「失礼します」
「どうしたの? あなたのほうからここに来るなんて。珍しいじゃない?」
 どうやらフリージアは、調べものをしていたらしい。机に向かって物書きをしている彼女も珍しい。
「お姉様に聞きたいことがありまして」
「そっちに座りなさい。私もちょうど、休みたいと思っていたところだから」
 フリージアがソファに座ったのを見届けてから、その向かい側に座る。
「それで、聞きたいことってなに?」
「お姉様は、魔力交感を行ったことがありますか?」
 フリージアは思わず噴き出しそうな顔をしていた。
「危ない危ない。口から何かが出そうになっちゃったじゃないの。なんで、急にそんなことを聞くわけ? それ、騎士団の中でも触れちゃいけない話題よ」
「なぜ、触れてはいけない話題なのですか?」
「魔力交感の方法は知っている?」
 エミーリアは頷く。
「団長に教えていただきました」
「方法が方法だからね。そういった不貞を働いても、魔力交感していたなんて言い訳できちゃうでしょう? だから、魔力交感は恋人とか夫婦とかで行うもの。どうしてもっていうときは、特例で認められているけれど」
「特例とは?」
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