【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
たまたまここに泊ったときのこと。外から聞こえる風を切る音が気になり、そっとカーテンの隙間から覗き見た。
音の発生源は、木刀を振り回しているエミーリアだった。木刀を基本の型になぞって振り回している。騎士ではない彼女が手にできるのは、木刀のように刃のないものだけ。
あまりにも綺麗な型につい見惚れてしまった。
手合わせをしたらきっと楽しいだろう。
次第に彼女への好感は高まるばかり。
そこまで思いを巡らせた彼は、机の上のトレイを下げるために立ち上がった。
会議の議題は、もっぱら魔石採掘場の崩落事故についてである。そのためにローランが現地に飛び、調査を行ってきた。その間、エミーリアが調べた内容も大きな収穫の一つでもあった。
「やはり、隣国ロマシチが動いていると?」
国王の言葉にローランは頷いた。
採掘場の崩落事故現場で感じた魔力と、彼らから聞き出した話から総合的に判断した結果、やはり隣国ロマシチが関わっている可能性が高い。
「では、私のほうからそれとなくロマシチに揺さぶりをかけてみよう」
口調は穏やかであるが、目は全く笑っていない。こうやって食えない表情をするのが国王なのだ。
隣国のロマシチとは連携協定を結んでいる。物品の流通だけでなく人の移動や政策など、両国間の強化関係を目的とする協定だ。そうはいっても、その協定に反対している者もいる。
音の発生源は、木刀を振り回しているエミーリアだった。木刀を基本の型になぞって振り回している。騎士ではない彼女が手にできるのは、木刀のように刃のないものだけ。
あまりにも綺麗な型につい見惚れてしまった。
手合わせをしたらきっと楽しいだろう。
次第に彼女への好感は高まるばかり。
そこまで思いを巡らせた彼は、机の上のトレイを下げるために立ち上がった。
会議の議題は、もっぱら魔石採掘場の崩落事故についてである。そのためにローランが現地に飛び、調査を行ってきた。その間、エミーリアが調べた内容も大きな収穫の一つでもあった。
「やはり、隣国ロマシチが動いていると?」
国王の言葉にローランは頷いた。
採掘場の崩落事故現場で感じた魔力と、彼らから聞き出した話から総合的に判断した結果、やはり隣国ロマシチが関わっている可能性が高い。
「では、私のほうからそれとなくロマシチに揺さぶりをかけてみよう」
口調は穏やかであるが、目は全く笑っていない。こうやって食えない表情をするのが国王なのだ。
隣国のロマシチとは連携協定を結んでいる。物品の流通だけでなく人の移動や政策など、両国間の強化関係を目的とする協定だ。そうはいっても、その協定に反対している者もいる。