【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
だから今回の件は、ロマシチとして動いているのではなく、反対意見を持つ組織が動いているのではないかというのが、ローランの考えでもあった。
それを探るために、国王自らがロマシチの国王と対談の場を設けるとのこと。
魔石のとれる採掘場は、ザーバラン国に所有権と採掘権がある。だが、あそこで働いている鉱夫たちの中には、ロマシチの者もいる。それもこれも連携協定のおかげなのだ。
崩落事故の件は引き続き調査と、現場の安全性確保のため定期的に現地にいる第五部隊と情報交換をするといった内容でまとめられた。
会議が終わり、人が捌けてから、ローランは国王の執務室へと足を運んだ。
見るからに重そうな扉を叩く。
「誰だ」
「俺です」
「入れ」
名乗らずとも、その言葉が互いの合言葉のようなもの。
「どうしたローラン。お前から自主的にここへくるとは珍しい」
そう言われても仕方あるまい。ローランは極力この部屋を訪れないようにしていたのだから。
「報告書をお持ちしました」
白い壁に金色の刺繍のある執務室は、国王の威厳たるものに相応しいような内装である。天井にも幾何学的な模様が描かれており、あれが何の意味を成しているのか、ローランにはさっぱりわからない。
「報告書? マヤンの報告書は先ほど受け取ったはずだが」
ローランがカツカツと足音を立て、国王の執務席の前に立ち、一枚の報告書を差し出した。
それを探るために、国王自らがロマシチの国王と対談の場を設けるとのこと。
魔石のとれる採掘場は、ザーバラン国に所有権と採掘権がある。だが、あそこで働いている鉱夫たちの中には、ロマシチの者もいる。それもこれも連携協定のおかげなのだ。
崩落事故の件は引き続き調査と、現場の安全性確保のため定期的に現地にいる第五部隊と情報交換をするといった内容でまとめられた。
会議が終わり、人が捌けてから、ローランは国王の執務室へと足を運んだ。
見るからに重そうな扉を叩く。
「誰だ」
「俺です」
「入れ」
名乗らずとも、その言葉が互いの合言葉のようなもの。
「どうしたローラン。お前から自主的にここへくるとは珍しい」
そう言われても仕方あるまい。ローランは極力この部屋を訪れないようにしていたのだから。
「報告書をお持ちしました」
白い壁に金色の刺繍のある執務室は、国王の威厳たるものに相応しいような内装である。天井にも幾何学的な模様が描かれており、あれが何の意味を成しているのか、ローランにはさっぱりわからない。
「報告書? マヤンの報告書は先ほど受け取ったはずだが」
ローランがカツカツと足音を立て、国王の執務席の前に立ち、一枚の報告書を差し出した。