【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
身体の大きなローランに見下ろされても、最近では怯まなくなってきた。威圧的に感じた彼の身体も、今となってはどこか心強さを感じる。
「ありがとうございます」
以前はすぐに謝罪の言葉を口にしていたが、ローランから指摘され、次第に礼を口にするようになった。
彼が微笑んだ。エミーリアも口元を綻ばせたくなったが、それがうまくいっているかどうかはわからない。
ローランの後ろをついていく。騎士館から外へ出て王城へと入り、ホールの階段を上がり、奥へと進む。この先は、エミーリアが足を踏み入れるのも初めてである。
黒紅の大きな扉の前で立ち止まると、ローランはその扉を力強く叩いた。
「ローラン・ベニシュです。エミーリア・グロセ事務官をお連れしました」
「入れ」
中から聞こえてきた声に、エミーリアの身体に力が入る。
「失礼します」
中に入っていくローランの後ろを、エミーリアは緊張した面持ちで歩く。
「そこに、座れ」
国王の言葉に促され、ひじ掛けのある白い椅子にそれぞれ座った。
執務用の机からぐるりと回ってきた国王は、二人の前にある白いソファに座る。そこが彼の定位置である。
「ありがとうございます」
以前はすぐに謝罪の言葉を口にしていたが、ローランから指摘され、次第に礼を口にするようになった。
彼が微笑んだ。エミーリアも口元を綻ばせたくなったが、それがうまくいっているかどうかはわからない。
ローランの後ろをついていく。騎士館から外へ出て王城へと入り、ホールの階段を上がり、奥へと進む。この先は、エミーリアが足を踏み入れるのも初めてである。
黒紅の大きな扉の前で立ち止まると、ローランはその扉を力強く叩いた。
「ローラン・ベニシュです。エミーリア・グロセ事務官をお連れしました」
「入れ」
中から聞こえてきた声に、エミーリアの身体に力が入る。
「失礼します」
中に入っていくローランの後ろを、エミーリアは緊張した面持ちで歩く。
「そこに、座れ」
国王の言葉に促され、ひじ掛けのある白い椅子にそれぞれ座った。
執務用の机からぐるりと回ってきた国王は、二人の前にある白いソファに座る。そこが彼の定位置である。