【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
「心当たりはありません。とでも言いたげな顔をしているな」
まるで心の中を見透かされたような国王の言葉に、エミーリアの心臓はトクンと跳ねた。
「学園時代の成績も文句はない。騎士団入団も身長さえ満たしていれば、文句なしの合格だ」
やはり小さな体格が原因で、入団試験に落ちたのだ。その事実を突きつけられれば、まして突き付けてきた相手が国王となれば、今度は胸がぎゅっと締め付けられるほど苦しくなった。
「騎士団の入団に体格を条件としているのは、相手に舐められないようするためでもある」
国王の言葉に、エミーリアは大きく頷く。
それはエミーリアだってわかっている。学園に通っていたときも、他のどの生徒よりも小柄だったのだ。見下ろすようにして、エミーリアに威圧的な態度を取る者もいた。だからって、それに怯えるようなエミーリアでもなかったのだが、それでも決まりは決まりであって、小柄過ぎる者は騎士団に入団できない。
「君を特例で入団させるべきだという意見もあった。だから、君は騎士団に望まれていたんだよ」
目尻を和らげて微笑んでくる国王に、ドキリとする。三十代後半の国王であるが、その年代を感じさせない。
だが、騎士団に望まれていたというその言葉が、エミーリアの心を溶かしていく。
「だがね、それは私が反対した。どこかで線引きは必要だ。一度、特例を認めてしまえば、今後の試験に影響するからね。だから君を『闇』でもらうことにした。『闇』ならば、君の能力を充分に発揮できるだろう」
「身に余るお言葉をいただき、恐悦至極に存じます」
エミーリアは深々と頭を下げた。
まるで心の中を見透かされたような国王の言葉に、エミーリアの心臓はトクンと跳ねた。
「学園時代の成績も文句はない。騎士団入団も身長さえ満たしていれば、文句なしの合格だ」
やはり小さな体格が原因で、入団試験に落ちたのだ。その事実を突きつけられれば、まして突き付けてきた相手が国王となれば、今度は胸がぎゅっと締め付けられるほど苦しくなった。
「騎士団の入団に体格を条件としているのは、相手に舐められないようするためでもある」
国王の言葉に、エミーリアは大きく頷く。
それはエミーリアだってわかっている。学園に通っていたときも、他のどの生徒よりも小柄だったのだ。見下ろすようにして、エミーリアに威圧的な態度を取る者もいた。だからって、それに怯えるようなエミーリアでもなかったのだが、それでも決まりは決まりであって、小柄過ぎる者は騎士団に入団できない。
「君を特例で入団させるべきだという意見もあった。だから、君は騎士団に望まれていたんだよ」
目尻を和らげて微笑んでくる国王に、ドキリとする。三十代後半の国王であるが、その年代を感じさせない。
だが、騎士団に望まれていたというその言葉が、エミーリアの心を溶かしていく。
「だがね、それは私が反対した。どこかで線引きは必要だ。一度、特例を認めてしまえば、今後の試験に影響するからね。だから君を『闇』でもらうことにした。『闇』ならば、君の能力を充分に発揮できるだろう」
「身に余るお言葉をいただき、恐悦至極に存じます」
エミーリアは深々と頭を下げた。