【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
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ローランはエミーリアのことがさっぱり理解できなかった。いや、他人を理解するのは難しい。むしろ、できない。
あのような話を国王からされても、エミーリアは顔色一つ変えずにいた。その理由も知っているはずなのに、動揺しているのは自分だけなのかと思うと、苛立ちすら覚えた。
「団長。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
部屋を出てすぐに、エミーリアはローランにしか聞こえないような声で呟いた。
たったそれだけのことであるのに、先ほどまで感じていた苛立ちが遠のいていく。
「君こそ……。こんなバカげたことを引き受けていいのか?」
「バカげたことではありません。少なくとも、私にとっては必要であると思っております」
「そうか」
「魔法騎士になれなかった私を、陛下は認めてくださったのです」
「そうか……」
それ以上の言葉は、ローランも持ち合わせていなかった。
彼女が誰よりも魔法騎士になりたかった想いを、ローランも感じていたからだ。
「この後、時間はあるか?」
エミーリアが首を傾げてローランを見上げると、彼は鼻から息をふっと吐いて、口元を緩めた。
「もう少し、『闇』について詳しい説明をしてやる。陛下には、聞きたいことも聞けなかったのではないか?」
「はい、ありがとうございます」
ローランはエミーリアのことがさっぱり理解できなかった。いや、他人を理解するのは難しい。むしろ、できない。
あのような話を国王からされても、エミーリアは顔色一つ変えずにいた。その理由も知っているはずなのに、動揺しているのは自分だけなのかと思うと、苛立ちすら覚えた。
「団長。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
部屋を出てすぐに、エミーリアはローランにしか聞こえないような声で呟いた。
たったそれだけのことであるのに、先ほどまで感じていた苛立ちが遠のいていく。
「君こそ……。こんなバカげたことを引き受けていいのか?」
「バカげたことではありません。少なくとも、私にとっては必要であると思っております」
「そうか」
「魔法騎士になれなかった私を、陛下は認めてくださったのです」
「そうか……」
それ以上の言葉は、ローランも持ち合わせていなかった。
彼女が誰よりも魔法騎士になりたかった想いを、ローランも感じていたからだ。
「この後、時間はあるか?」
エミーリアが首を傾げてローランを見上げると、彼は鼻から息をふっと吐いて、口元を緩めた。
「もう少し、『闇』について詳しい説明をしてやる。陛下には、聞きたいことも聞けなかったのではないか?」
「はい、ありがとうございます」