【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
ローランが歩き出すと、エミーリアはひょこひょこと速足でついてくる。少し歩幅を小さくすると、彼女の足音も遅くなる。
そんな彼女が愛おしいと思う。
慣れた執務室に戻ってくると、すぐさまエミーリアはお茶の準備をすると言う。ローランはその言葉に甘えることにした。
彼女の淹れるお茶は、きっとこの場を和ませてくれるだろう。
ローランは深々とソファに座った。
国王直下の諜報部『闇』について、ローランが知っている内容もたかがしれている。ただ、魔法騎士団長という立場上、その存在を知り、その存在を隠し、その存在を後押しする。
実際に『闇』と共に仕事をこなしたことはない。彼らは、騎士団の仕事の事前準備だったり、後始末を行ったりする。だから、ローランも『闇』のごく一部の人間しか知らない。それでも数人の『闇』が存在するはずだ。
いつもであれば、すでにエミーリアが銀トレイにティーポットとカップを載せて、とっくにここにいてもおかしくない。これだけ準備に時間がかかるのは珍しい。
ローランはすくっと立ち上がると、奥の部屋に足を運ぶ。
「エミーリア事務官?」
「あ、申し訳ありません……。まだ、お湯が沸かなくて……」
彼女はまだ魔導具で湯を沸かしている最中だった。だが、エミーリアがこちらにきてから随分時間は経っている。とっくに湯を沸かし終えていても、おかしくないほど時間は経過している。
そんな彼女が愛おしいと思う。
慣れた執務室に戻ってくると、すぐさまエミーリアはお茶の準備をすると言う。ローランはその言葉に甘えることにした。
彼女の淹れるお茶は、きっとこの場を和ませてくれるだろう。
ローランは深々とソファに座った。
国王直下の諜報部『闇』について、ローランが知っている内容もたかがしれている。ただ、魔法騎士団長という立場上、その存在を知り、その存在を隠し、その存在を後押しする。
実際に『闇』と共に仕事をこなしたことはない。彼らは、騎士団の仕事の事前準備だったり、後始末を行ったりする。だから、ローランも『闇』のごく一部の人間しか知らない。それでも数人の『闇』が存在するはずだ。
いつもであれば、すでにエミーリアが銀トレイにティーポットとカップを載せて、とっくにここにいてもおかしくない。これだけ準備に時間がかかるのは珍しい。
ローランはすくっと立ち上がると、奥の部屋に足を運ぶ。
「エミーリア事務官?」
「あ、申し訳ありません……。まだ、お湯が沸かなくて……」
彼女はまだ魔導具で湯を沸かしている最中だった。だが、エミーリアがこちらにきてから随分時間は経っている。とっくに湯を沸かし終えていても、おかしくないほど時間は経過している。