【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
「俺は、これから毎日、ここに泊る。だから、君の決心がついたとき、いつでも来ればいい」
「はい……」
「夜でも見張りが立っている。だから、裏口を使え」
「はい……」
返事をする彼女の唇の先は震えていた。ローランはそれの気づかぬ振りをして、裏口の場所を伝える。
「もし、見張りに見つかった場合は、その銀プレートを見せればいい。俺からの緊急の仕事で呼び出されたと言えば、誰もそれ以上は追究してこない」
「はい。では、今日は下がらせてもらいます」
ローランがここに泊る必要があるのは、けしてエミーリアとの話があるからではない。一か月以上も前に起こった、マヤンの魔石採掘場の崩落事故の件がまだ解決していないからだ。
それだけ日が経っているのに、解決の糸口すらつかめない。トラフィムからは定期的に報告書が送られてくるが、やはり調査に行き詰っているとのことだった。
(怪しいのは、ロマシチ国なのだが……。国として動いているよりは、何かの組織が動いている感じがする)
ローランも片づけをするために席を立った。
「はい……」
「夜でも見張りが立っている。だから、裏口を使え」
「はい……」
返事をする彼女の唇の先は震えていた。ローランはそれの気づかぬ振りをして、裏口の場所を伝える。
「もし、見張りに見つかった場合は、その銀プレートを見せればいい。俺からの緊急の仕事で呼び出されたと言えば、誰もそれ以上は追究してこない」
「はい。では、今日は下がらせてもらいます」
ローランがここに泊る必要があるのは、けしてエミーリアとの話があるからではない。一か月以上も前に起こった、マヤンの魔石採掘場の崩落事故の件がまだ解決していないからだ。
それだけ日が経っているのに、解決の糸口すらつかめない。トラフィムからは定期的に報告書が送られてくるが、やはり調査に行き詰っているとのことだった。
(怪しいのは、ロマシチ国なのだが……。国として動いているよりは、何かの組織が動いている感じがする)
ローランも片づけをするために席を立った。