【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
第五章
エミーリアは背中からローランに抱きかかえられるようにして、身体を洗われていた。
「外は、暑くなかったか?」
「はい……」
石鹸で泡立てた海綿で、優しく背中を擦られる。
他人と風呂に入るなんて、子どものとき以来だ。昔はよく、姉のフリージアと風呂に入っていたのを思い出す。
いつの間にか、ローランの手が前のほうに伸びている。
「そこは、自分で洗えますから」
「俺が洗ってあげたいんだ。それに、こういった状況にもなるかもしれないだろう? 慣れていたほうがいいのではないのか?」
耳元で低く囁かれてしまえば身体の芯が熱を帯び、恥ずかしさのあまり強張ってしまう。
先ほどまでは海綿を使って洗っていたはずなのに、いつの間にかローランが手で泡をこすっていた。
「君は、柔らかいな」
まるでエミーリアの肌を確かめるかのように、大きな手が滑っていく。
一度、湯をかけられて泡は全て流れていく。排水のほうへと動いていく白い泡を、エミーリアは見つめていた。もう一度、パシャリと湯をかけられた。
『闇』になるための試練と思って、自分の意思でここに来た。今更、引き返すことなどできない。心臓がトクトクと高鳴っていく。
「外は、暑くなかったか?」
「はい……」
石鹸で泡立てた海綿で、優しく背中を擦られる。
他人と風呂に入るなんて、子どものとき以来だ。昔はよく、姉のフリージアと風呂に入っていたのを思い出す。
いつの間にか、ローランの手が前のほうに伸びている。
「そこは、自分で洗えますから」
「俺が洗ってあげたいんだ。それに、こういった状況にもなるかもしれないだろう? 慣れていたほうがいいのではないのか?」
耳元で低く囁かれてしまえば身体の芯が熱を帯び、恥ずかしさのあまり強張ってしまう。
先ほどまでは海綿を使って洗っていたはずなのに、いつの間にかローランが手で泡をこすっていた。
「君は、柔らかいな」
まるでエミーリアの肌を確かめるかのように、大きな手が滑っていく。
一度、湯をかけられて泡は全て流れていく。排水のほうへと動いていく白い泡を、エミーリアは見つめていた。もう一度、パシャリと湯をかけられた。
『闇』になるための試練と思って、自分の意思でここに来た。今更、引き返すことなどできない。心臓がトクトクと高鳴っていく。