【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
「わかった。何も問題はない。ゆっくり休めと、伝えておいてくれ」
「団長……」
なぜかフリージアは、エミーリアと同じ緋色の瞳で、いぶかしげにローランを見つめている。
「なんだ」
「もしかして……。妹のことを好いていらっしゃいます?」
ローランは何も答えずに、目を細めてフリージアを睨みつけた。
「あ、気分を害されたのであれば申し訳ありません。ですが、妹のこと、よろしくお願いします」
頭をペコっと下げた彼女は「失礼しました」と言って、足早に部屋を出て行った。
(なぜ、わかったのだろうか。そんなに、顔に出ていたのか?)
この場所には他に誰もいないのに、不安になったローランは大きな手で口元を押さえた。口元は緩みニヤついている。
だが、このような姿を他の者に見せるわけにはいかな。気を引き締めるためにも、お茶でも飲もうと思い、準備をし始めた。
そしてすぐさま、エミーリアがいなくて困ったことにはたと気づく。
こうやって執務室に泊った時は、いつも彼女が朝食を準備してくれていたのだ。
(人が少なくなった頃を見計らって、食堂に行くか)
エミーリアがローランのために朝食を準備しているのは、確実に王城関係者に知られている。にもかかわらず、ローラン自らが食堂にいけば、エミーリアの不在が知られてしまう。そこから、どんな噂が広がるか。
「団長……」
なぜかフリージアは、エミーリアと同じ緋色の瞳で、いぶかしげにローランを見つめている。
「なんだ」
「もしかして……。妹のことを好いていらっしゃいます?」
ローランは何も答えずに、目を細めてフリージアを睨みつけた。
「あ、気分を害されたのであれば申し訳ありません。ですが、妹のこと、よろしくお願いします」
頭をペコっと下げた彼女は「失礼しました」と言って、足早に部屋を出て行った。
(なぜ、わかったのだろうか。そんなに、顔に出ていたのか?)
この場所には他に誰もいないのに、不安になったローランは大きな手で口元を押さえた。口元は緩みニヤついている。
だが、このような姿を他の者に見せるわけにはいかな。気を引き締めるためにも、お茶でも飲もうと思い、準備をし始めた。
そしてすぐさま、エミーリアがいなくて困ったことにはたと気づく。
こうやって執務室に泊った時は、いつも彼女が朝食を準備してくれていたのだ。
(人が少なくなった頃を見計らって、食堂に行くか)
エミーリアがローランのために朝食を準備しているのは、確実に王城関係者に知られている。にもかかわらず、ローラン自らが食堂にいけば、エミーリアの不在が知られてしまう。そこから、どんな噂が広がるか。