【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
「アンちゃん。今日は祭りにいったのかい?」
客の前で他の客を匂わす発言はしてはならない。驚き彼を見上げるが、どう答えたらいいかがわからない。
「僕はアンちゃんの本当のことを聞きたいだけだから。たとえ、他の男と祭にいったとしても、それくらいで怒るような心の狭い男じゃないよ」
バジムは目尻に皺を寄せて、微笑んでいた。
「はい……」
エミーリアは仕方なく答えた。
「だから、遠慮しなくていいんだ。今日の僕は、アンちゃんの話を聞きたいんだから。お祭りは、どうだった?」
いつもは聞き手にまわるエミーリアだが、なぜかバジムは今日にかぎって彼女の話を聞きたがっている。
「人がたくさんいて、びっくりしました。それから、テントのお店も。あんなにたくさんの人が集まる場所にいったのは、初めてでしたので」
「そうか。楽しそうでよかったよ。僕も時間があえばな、アンちゃんを祭りに連れて行けるのになぁ」
彼の言葉にはところどころ諦めがつかないといった気持ちが溢れている。
「あぁ」
それでも何かを思い出したように、ぱっと顔を輝かせた。
客の前で他の客を匂わす発言はしてはならない。驚き彼を見上げるが、どう答えたらいいかがわからない。
「僕はアンちゃんの本当のことを聞きたいだけだから。たとえ、他の男と祭にいったとしても、それくらいで怒るような心の狭い男じゃないよ」
バジムは目尻に皺を寄せて、微笑んでいた。
「はい……」
エミーリアは仕方なく答えた。
「だから、遠慮しなくていいんだ。今日の僕は、アンちゃんの話を聞きたいんだから。お祭りは、どうだった?」
いつもは聞き手にまわるエミーリアだが、なぜかバジムは今日にかぎって彼女の話を聞きたがっている。
「人がたくさんいて、びっくりしました。それから、テントのお店も。あんなにたくさんの人が集まる場所にいったのは、初めてでしたので」
「そうか。楽しそうでよかったよ。僕も時間があえばな、アンちゃんを祭りに連れて行けるのになぁ」
彼の言葉にはところどころ諦めがつかないといった気持ちが溢れている。
「あぁ」
それでも何かを思い出したように、ぱっと顔を輝かせた。