【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
「そうだ。もしかしたら、祭の最終日は、なんとか時間が取れそうかもしれない。そのときは、祭りに誘ってもいいかな?」
「はい、喜んで」
営業用の口調で答えてみたが、心の奥にはずしんと重い石が乗せられたような感覚があった。
「そうだ。これ、アンちゃんに似合うと思って。途中で買ってきたんだ」
そう言ったバジムは、上着の内ポケットから小さな箱を取り出した。内ポケットに入るくらいの小さな箱だ。
「開けてもいいですか?」
客から贈り物をされたときは、断らずに受け取りなさい。それがこの店の教えである。
「もちろん」
小箱を開けると、浅葱色の魔石が輝く耳飾りが一つだけ入っていた。
「ほら。僕は魔石調査の専門だからね。少しだけ変わった魔石を手に入れたから、アンちゃんにと思って、加工してもらったんだ」
「ありがとうございます」
「僕がつけてもいいかな?」
「……はい」
躊躇いがちに返事した様子は、バジムには恥ずかっているように見えたのかもしれない。
ひやっとしたものが耳に触れた。
「はい、喜んで」
営業用の口調で答えてみたが、心の奥にはずしんと重い石が乗せられたような感覚があった。
「そうだ。これ、アンちゃんに似合うと思って。途中で買ってきたんだ」
そう言ったバジムは、上着の内ポケットから小さな箱を取り出した。内ポケットに入るくらいの小さな箱だ。
「開けてもいいですか?」
客から贈り物をされたときは、断らずに受け取りなさい。それがこの店の教えである。
「もちろん」
小箱を開けると、浅葱色の魔石が輝く耳飾りが一つだけ入っていた。
「ほら。僕は魔石調査の専門だからね。少しだけ変わった魔石を手に入れたから、アンちゃんにと思って、加工してもらったんだ」
「ありがとうございます」
「僕がつけてもいいかな?」
「……はい」
躊躇いがちに返事した様子は、バジムには恥ずかっているように見えたのかもしれない。
ひやっとしたものが耳に触れた。