【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
祭り四日目の夜に起こった事件であるが、娼館とその周辺だけを巻き込んだだけであり、祭りの最終日は何事もなかったかのように行われた。
予定と狂ったのは、ローランが騎士団長として彼らを取り調べるために仕事をする羽目になったことくらいだろう。そして、エミーリアは昏々と眠り続けている。
最終日くらいはもう一度祭りを楽しみたいと思っていただけに、もどかしさが募った。
「団長。妹は……」
ローランが今日の仕事を終え宿へと戻ろうとしたところを、アルフォンスに呼び止められた。
「まだ目を覚まさない」
「そうですか……。魔力枯渇ではないのですよね」
「違うな」
「魔力障害でもない?」
「その症状とも違う。ただ、眠り続けているだけだ」
そうですか、とアルフォンスは肩を落とした。
「推測になるが、解放された魔力を体内に馴染ませようとしているのだろう。それで、身体がついていかないのではないだろうか」
「となれば、以前のような魔力暴走などは起こらない、と?」
「そうならないように、彼女の身体が働いているのだろう」
幼い時には扱えなかった魔力も、年齢を重ね、精神と体力が鍛えられたからこそ、受け入れられるようになったのではないだろうか。
予定と狂ったのは、ローランが騎士団長として彼らを取り調べるために仕事をする羽目になったことくらいだろう。そして、エミーリアは昏々と眠り続けている。
最終日くらいはもう一度祭りを楽しみたいと思っていただけに、もどかしさが募った。
「団長。妹は……」
ローランが今日の仕事を終え宿へと戻ろうとしたところを、アルフォンスに呼び止められた。
「まだ目を覚まさない」
「そうですか……。魔力枯渇ではないのですよね」
「違うな」
「魔力障害でもない?」
「その症状とも違う。ただ、眠り続けているだけだ」
そうですか、とアルフォンスは肩を落とした。
「推測になるが、解放された魔力を体内に馴染ませようとしているのだろう。それで、身体がついていかないのではないだろうか」
「となれば、以前のような魔力暴走などは起こらない、と?」
「そうならないように、彼女の身体が働いているのだろう」
幼い時には扱えなかった魔力も、年齢を重ね、精神と体力が鍛えられたからこそ、受け入れられるようになったのではないだろうか。