【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
ローランは机の中から銀色のプレートを取り出した。
「これは、君が俺の代理で動いているという証だ。これをつけて食堂にいきなさい。今までの補佐事務官にこれを渡したことはない。どうせ、彼らはすぐに辞めていくからな」
ネックレスのように鎖につけたものを渡されたので、エミーリアはそれを首にかけた。その後、隣室で手早くシーツを取り換えてから食堂へと向かった。
食堂は王城で働く者たちの食を提供する場である。そのため、王城関係者であれば自由に利用できる。
適当にパンと果物を見繕って、籠にいれた。
彼女の首元にはローランからもらった、彼の代理を証明する銀のプレートが輝いている。
食堂で食事を選んでいると、ちらほらと他人の視線が気になった。いつもよりも見られているような感じがする。
(なんでだろう? 私、何かしたのかしら。できるだけ、目立たないようにしていたつもりだったのに)
そもそもエミーリアは有名人である。グロセ家の娘でありながら、魔法騎士になれなかった者として、その名は知られていた。さらに、姉のフリージアによく似た容姿であるから、エミーリアを知らない者もフリージアさえ知っていれば、エミーリアをエミーリアと認識できるのだ。
そんな蔑むような、同情のような視線はいつも浴びていた。だが、今日はそれとは異なる視線がまとわりついている。
「これは、君が俺の代理で動いているという証だ。これをつけて食堂にいきなさい。今までの補佐事務官にこれを渡したことはない。どうせ、彼らはすぐに辞めていくからな」
ネックレスのように鎖につけたものを渡されたので、エミーリアはそれを首にかけた。その後、隣室で手早くシーツを取り換えてから食堂へと向かった。
食堂は王城で働く者たちの食を提供する場である。そのため、王城関係者であれば自由に利用できる。
適当にパンと果物を見繕って、籠にいれた。
彼女の首元にはローランからもらった、彼の代理を証明する銀のプレートが輝いている。
食堂で食事を選んでいると、ちらほらと他人の視線が気になった。いつもよりも見られているような感じがする。
(なんでだろう? 私、何かしたのかしら。できるだけ、目立たないようにしていたつもりだったのに)
そもそもエミーリアは有名人である。グロセ家の娘でありながら、魔法騎士になれなかった者として、その名は知られていた。さらに、姉のフリージアによく似た容姿であるから、エミーリアを知らない者もフリージアさえ知っていれば、エミーリアをエミーリアと認識できるのだ。
そんな蔑むような、同情のような視線はいつも浴びていた。だが、今日はそれとは異なる視線がまとわりついている。