【コミカライズ決定】愛をささやかないで~婚約解消された可愛げのない事務官は、強面騎士団長に抱かれます
 粘液が絡み合う音が異様に大きく聞こえ、その音が恥ずかしいと思いつつも、彼が与えてくれる快楽に次第に溺れ始める。
(これが、魔力交感……)
 身体の全ての感覚が研ぎ澄まされたような感じがした。
 舌と舌を絡め合っているだけなのに、全身に熱が溜まり、身体の奥が疼く。
 ぐにっと、服の上から圧を感じた。ローランの手が大きく胸元を包み込んでいる。
 突然の出来事にエミーリアは彼の手首を掴むと、そのまま仰向けに倒され、逆に腕を捉えられてしまった。
 それでもローランは、口内を蹂躙しつつ、エミーリアの両手を片手で合わせて、彼女の頭の上で拘束している。さらに空いているもう片方の手で、器用に上着の(かぎ)をつぷつぷと外しにかかった。
 かっと顔に熱が集まった。だが、恥ずかしいとは思いつつも、彼と溶けあいたい気持ちが胸の奥から溢れてくる。
 すべての鉤を外された上着は、左右に大きく押し広げられた。すぐにブラウスにも手をかけられ、留められている(ボタン)も片手で外していく。
 顔から火が出る思いなのに、それを受け入れている自分もいる。
 いつの間にかエミーリアは、ローランの身体の下にいた。彼はエミーリアの両脇に膝をつき、覆いかぶさっている。
 下着の上から胸に触れてくる。薄い布地では、その感触がわかってしまう。彼の指が先端をかすめるだけで、背中に刺激が走る。
 次第にローランの唇もエミーリアの口を解放し、顎から首筋、鎖骨と場所をかえ、胸の谷間をきつく吸い上げた。
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