ヴァンパイアな彼等
バンッ!と、勢いよく開いた保健室の扉。
「あ!俺の結界が…!?」
「へぇ。ビックリ…」
驚いたような凪の声と関心した怜也の声が聞こえ、私は開いた扉に視線を向ける。
「…ほぅ?凪の結界破ってくるなんてなかなかやるじゃねぇか…一体誰だ……は?子ども?」
翔月の視線の先…扉の前にいたのは、弟の冬夜だった。経緯は分からなかったがおそらく私を助けに来てくれたのだろう。
「おい…お前等、姉さんから離れろ。汚い手で触るな…!」
「姉さん?彼女が君の…?君、ヴァンパイアだよね、しかも純血だろ?じゃないと凪の結界をこうもアッサリ破ることはできないし」
怜也がようやく、座っていた席から立ち上がり、不思議そうに冬夜に近づいていく。
ダメ…!
冬夜が強いのは知ってるけど、この3人は…格が違う…。
「ちょっ…お前…」
冬夜の登場に私への注意が薄れた一瞬のスキをつき、私は力いっぱい翔月の手を振り払った。
痛っ…。
しかし、無理に振り払ったせいで、手首に小さな傷ができ思わず顔をしかめる。