ヴァンパイアな彼等
そんな冬夜に微笑みかけると、私は3人に向き直った。
「私の名前は、東雲柚葉。今年から羽南学園の1年生として入学してきたの。そして、こっちは弟の冬夜」
彼等に対して、言葉を選びながら自己紹介をする。
おそらく、3人は私の正体を聞くまで帰してくれそうにないし…。
力のあるヴァンパイアを敵には回せば、後々冬夜にまで危害が及ぶ可能性がある。
それだけは避けないといけない。
そう思っての判断だった。
「東雲?じゃあ、お前もヴァンパイアか?」
「いやいや〜それはないっしょ。ヴァンパイアの匂いじゃないもん」
「凪の所と同じなんじゃないの?親が人間と再婚しての連れ子とか…」
私の正体について、思案する彼等。
NVってことを伝えれば、他のヴァンパイアみたいに彼等もきっと興味をなくすはず。
私を毛嫌いしてくれたほうがこちらとしては都合がよかった。
「私は…NVなの。だから、東雲だけどヴァンパイアの力はない。これでわかったでしょ?私に関わると周りのヴァンパイアから変な目で見られるわよ」
意を決して、そう言い放った言葉に3人はポカンとした表情を浮かべる。