ヴァンパイアな彼等
「NV…?」
「うっそ。僕、NVって初めて見た。しかも、純血家系からって…」
「…前代未聞なんじゃないか。純血のNVなんて」
綺麗な瞳を大きく見開き、驚きを隠せない様子の彼等に私は内心、ほくそ笑む。
羽南学園まで来て自分がNVって話さないとなんて思わなかったけど、普通のヴァンパイアはNVと関わろうなんて思わないはず。
まぁ…もし、これでもまだちょっかいかけてくるヴァンパイアは、よほどのもの好きか、世間知らずくらい…。
「おもしれーじゃん」
「あ、翔月くんならそう言うと思った」
「確かに…興味はそそられるね。純血のNVか」
は…?
そんな彼等の発言に、今度は私がポカンとした表情で見つめ返す番だった。
「貴方達…頭おかしいんじゃないの?私の話、ちゃんと聞いてた…?」
呆れたように私が声をかけると、彼等は三者三様、不敵な笑みを浮かべる。
その瞬間、ゾクッと背筋に悪寒が走った。
「自己紹介がまだだったな。俺は羽南学園高等部2年の烏丸翔月」
「次、僕ね。同じく2年の藤峰凪だよ。よろしくね、柚葉ちゃん」
「2年の有栖川怜也」