ヴァンパイアな彼等
我が両親ながら本当に頼もしい限りだ。
そんなこんなで、家族に恵まれた私だったが…周りのヴァンパイア連中はそういうわけにもいかなかった。
『ほら、あの子が例の東雲の…』
『あぁ…NVの…純血一族からNVが出るなんてお可哀想ね』
大人たちは、両親がいない所では、ヒソヒソとそんな噂をし。
『…わっ。来たよ、よく学校に来れるよね〜』
『ねぇ。東雲じゃなかったら関わりたくもない』
同い年のクラスメイトたちからは、敬遠される日々。
そんな時だった。
『ねぇ、柚葉…あなたさえ良ければ人間の学校に行ってもいいのよ?ヴァンパイアの学校じゃ、あなたも過ごしにくいでしょう?』
母の蓮香から、そんな提案があったのは…。
人間の学校か…。
NVのヴァンパイアの中には、母が言うように人間の学校に転校するものも多いと聞く。
ただ、世間体というやつもあるわけで…。
『それは…私としては嬉しいけど…お父さんたちに迷惑かけるんじゃない?それに、冬夜(トウヤ)だっているし』