ヴァンパイアな彼等
先輩、芽亜里ちゃんのこと大事なんだな。
そう考えると、なんだか温かい気持ちになる。
「芽亜里ちゃんのこと大事にしてるんですね」
「…別にそう言うのじゃないよ。柚葉ちゃんと冬夜くんみたいな関係とは違う。僕のは…罪滅しみたいなものかな?」
そこまで呟いてフッと、自嘲的な笑みを浮かべる凪に私は押し黙ってしまう。
罪滅し…?
私が不思議そうな表情を浮かべていると、凪は曖昧に微笑み、ベッドに座る私の隣に腰掛けた。
「柚葉ちゃんには、芽亜里へヴァンパイアのこと話さないって条件出しといて僕が言わないのはフェアじゃないから…」
そう言って、スマホを取り出した彼は私にある画面を見せる。
そこに表示されていたのは、幼稚園生くらいの金髪の髪の長い少女と30代前半くらいの綺麗な女の人。
まるで、絵から飛び出してきたかと思うくらい綺麗な容姿に私は自然と頬が緩んだ。
「芽亜里ちゃんとお母さん、ですか?」
「いや。僕の母と妹。もうこの世にはいないけど…」
「…え?」
「そう、これが父さんが…今の母さんと再婚した理由。似てるんだよ。死んだ2人に芽亜里たち親子が」