ヴァンパイアな彼等
「…え?」
ポカンとした表情で見つめる凪に、私はズイッと詰め寄った。
「だから、芽亜里ちゃんは藤峰先輩のことちゃんとお兄ちゃんって…家族だって思ってるってことですよ…!」
「いや…でも、僕が家族みたいに接することで芽亜里に迷惑…」
「そんなの本人がどう思うかが大事なんじゃないんですか?例えば私と冬夜が本当の姉弟じゃないとして、それが原因で冬夜がもし、イジメられてるとしたら私はその相手のこと絶対に許せないです。それは、先輩も同じでしょ?」
「……」
私の言葉に対して、凪は考え込むように押し黙る。
その時だった。
「迷惑なんかじゃない…!」
…芽亜里ちゃん!?
バンっと扉が開き、保健室内に入ってきたのは、息を切らした芽亜里ちゃんで。
「わ、私…柚葉ちゃんが心配で…様子を見に来たの。そしたら、2人が話してるの聞こえてきて…」
盗み聞きのような形になったのが気になったのか、そんな説明をしバツが悪そうに顔を伏せている。