ヴァンパイアな彼等
「何でそんなこと聞くの?」とでも言う風に小首を傾げる彼女に対して私は内心安堵する。
どうやら、ヴァンパイア関連の話は聞いていなかったようだ。
凪もそのことに安心したのか、ようやく笑顔を浮かべている。
「ううん…!何でもないの!じゃあ私、具合もだいぶよくなったし…教室戻ろうかな。藤峰先輩も保健室まで連れてきてくれてありがとうございました!芽亜里ちゃん、行こう?」
「うん!そしたら、凪くんまた家でね〜」
「あぁ…。柚葉ちゃん!あの、ありがとう」
最後、私にお礼を口にした凪に向かって、小さく手を振り、私は芽亜里ちゃんと保健室を後にしたのだった――。
♢◆♢
「2人とも話し合えてよかったね。やっぱり、兄妹仲良しが1番だもん」
そう言って微笑んだ私に、芽亜里ちゃんが嬉しそうに口を開く。
「ふふ。きっかけをくれたのは柚葉ちゃんだよ?」
「私…?」
「だって、柚葉ちゃんが凪くんに私の気持ち伝えてくれてたから…あの時、飛び出せたんだもん。だから、私からもありがとう」