ヴァンパイアな彼等
そして、高校進学した2度目の春、俺は東雲柚葉と出会った。
一瞬、不思議な気配を感じ、振り返ったのは入学式の最中。
遠目でもわかるくらい目を引く容姿だった彼女は注目の的だった。
『あの子、可愛いな』
『あぁ…!藤峰の妹も超可愛いし、今年の1年はレベル高すぎ』
ヒソヒソと噂するクラスメイト達の声を横目に俺は視線を彼女に向ける。
まぁ、不思議な気配ではあるものの、若干普通の人間と違うくらいのレベルで「気のせいか…?」そう最初は思っていた。
しかし、凪の妹、芽亜里の様子を見に彼女の教室へ向かった時、確信にかわる。
『凪、いい加減もっと普通にしろ。妹の様子が気になるなら堂々としてればいいだろう』
『いや…翔月くん。でもね、コソッと見に行かないと後で芽亜里に迷惑かけるかもだし…』
『俺達3人で歩いている時点でコソッとは無理だろ』
呆れたような怜也に俺も同意しつつ、廊下を進む。
新入生らしき女子生徒達が遠巻きに見つめてくるのが気配でわかった。