ヴァンパイアな彼等
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『翔月くん、怜也くん。僕、芽亜里と柚葉ちゃんの所に行ってくるね』
保健室の一件から数日後、凪は妹の芽亜里と仲良くなったと嬉しそうに報告してきた。
そして、それが彼女…東雲柚葉のおかげだと言う。
凪は東雲柚葉のことを気に入ったようで、その日からほぼ毎日、妹と彼女に会いに行くのが日課になっていた。
そんな凪を面白がって、怜也はついていく。
まぁ、"半純血"の俺のことを気にしない2人だからこそ、彼女が"NV"だろうと特に気にはならないらしい。
ある意味、俺は凪とは別の意味で東雲柚葉には興味を抱いていた。
アイツが俺を"半純血"のヴァンパイアって、知ったらどう思うか…。
不意にそんな思いに駆られたこともある。
序列4位家系のNVと、序列1位家系の半純血…。境遇が近いような気がして気になった。
俺は父や凪達のおかげで特に不自由なかったが、彼女はどうだろう…。
NVは半純血以上に希少で謎が多い。
かくいう俺等も保健室での彼女の血に魅力された件は驚いていたし…。
あの日は俺等だったからなんとか耐えられたけど、普通のヴァンパイアだったら…確実に襲われていたと思う。