甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)
唯月くんの正体
唯月くんに吸血され、意識が遠のいた私。次に目を覚ましたのは、知らない部屋だった。
「⋯⋯ん、ここは?」
重たい瞼を開ける。すると、ニッコリ笑った唯月くんと目が合った。
「ゆ、づきくん⋯⋯?」
「ここは俺のアパートだよ。おはよう雨水さん」
「おはよう⋯⋯」
制服姿の唯月くん。掛け布団をはぐって、急いで自分の服を確認する。良かった、ちゃんと制服を着てる。脱がされてるのかと思った。
「ねぇ雨水さん、今なにか失礼な事を予想しなかった?」