甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)
もしかして――
二人の間に、何かあったのかな?でも、あの二人が仲悪いって噂は聞かない。ケンカしてるとこも、見た事ないし。
「ねぇ。唯月くんは神代くんと、」
いっそ聞いてしまおう!と思って「神代くん」の名前を口にする。
すると、その瞬間――
「雨水さんは、悪い子だね」
いつの間にか吸血鬼モードになり、目を赤くさせた唯月くんが⋯⋯私に向かって、意地悪な笑みを浮かべていた。
「わ、悪いって⋯⋯何が?」
「強いて言うなら、ボールに当たったこと。神代にお姫様抱っこされたこと。神代と二人きりで保健室にいたこと、かな?」
「ぜ、全部じゃん⋯⋯!」
「わぁ、本当だ」
ジェスチャーまでして、驚く「フリ」をする唯月くん。彼に似合わないお芝居が、なぜだか私の中の恐怖を増す。
二人の間に、何かあったのかな?でも、あの二人が仲悪いって噂は聞かない。ケンカしてるとこも、見た事ないし。
「ねぇ。唯月くんは神代くんと、」
いっそ聞いてしまおう!と思って「神代くん」の名前を口にする。
すると、その瞬間――
「雨水さんは、悪い子だね」
いつの間にか吸血鬼モードになり、目を赤くさせた唯月くんが⋯⋯私に向かって、意地悪な笑みを浮かべていた。
「わ、悪いって⋯⋯何が?」
「強いて言うなら、ボールに当たったこと。神代にお姫様抱っこされたこと。神代と二人きりで保健室にいたこと、かな?」
「ぜ、全部じゃん⋯⋯!」
「わぁ、本当だ」
ジェスチャーまでして、驚く「フリ」をする唯月くん。彼に似合わないお芝居が、なぜだか私の中の恐怖を増す。