甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)
◇
「んぅ?ここは……」
私が寝ている横で、そんなやり取りが行われていたとは露も知らない私。
しばらく寝た後、唯月くんに吸血された疲労が、やっと回復した。
「ふあ~、良く寝た。あれ?唯月くんは、いないんだ」
時計を見ると、午後六時。え、もうこんな時間!?急いで帰らないと!
ピカッ
「ん?」
椅子に掛けてあった制服に着替えていると、カーテン越しに何かが光って見えた。その光は、カーテン越しからでも分かるほど眩しくて――思わず、目を奪われる。
「赤い閃光と、青い稲妻……」
光は、二種類あった。
まるで生きてるかのように、自由自在に動く赤い閃光。
また、空から鉄槌を下すように、真下に落ちる青い稲妻。
その二つがぶつかり合う様子は、まるで何かのショーを見ているようだった。
だけど、