甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)
「やだ、飲みたくないもん……っ」

「でも、このままじゃ雨水さんがもたないよ?」

「誰かの血を飲むよりマシだよ……ッ」


まるで駄々っ子のように「いやいや」と首を横に振る私。そんな私を、唯月くんは優しい目で見た。


「それでも飲まないと。食事は大事だよ?コッチの事は気にしなくていいから。俺って頑丈だしね」

「嫌!同じクラスの子の血を飲むなんて、そんなこと出来ないよ……っ」

「なんで?」

「なんでって……っ」


吸血行動をしたくない。

ただ、それだけ。

同じクラスの友達に、自分の本能のままに噛みつくなんて……絶対にイヤだ。

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