ウチの居候ヴァンパイアくん。
「…で?その見知らぬ男がもう3日も由里の家にいると。」
「男じゃないよ?男の子!」
「どっちでも一緒だわ!ねえ、大丈夫なのそれ?」
「うーん、さすがにずっとこのままじゃダメな気がしてるけど、彼が心配で…」
アキラが由里の家に来て3日が経ったある日。
由里は入社以来の仲良し同期の結衣と一緒にランチを共にしていた。
由里が一部始終を話すと、結衣は案の定、心配そうな表情で由里を諭してきた。
パスタを巻く手がすっかり止まってしまっている。
「彼が心配って…。私は見知らぬ男を家にかくまってる由里が心配だよ!関わらない方がいいってー。」
結衣がごもっともなことを言うが、由里は「うーん」と言ってから言葉を続ける。
「だって悪い子ではなさそうだし。両親居なくて学校も行ってないって言うし。変なこともしてこないし、落ち着いたら自分で出ていくだろうと…」
「そーんな暢気なこと言ってたら、ある日突然襲われたりするんだからね!さっさと家から出すこと!出ないなら警察に相談すること!いい?」
結衣がびしっと由里を指さして言うので、由里は「…はい。」としか言いようがなかった。