ウチの居候ヴァンパイアくん。


「手を切った時、アキラ君に舐めてもらった後に傷口がなくなってたんだけど、あれもヴァンパイアの力のおかげ?」


「そうです。吸血した後を残さないために、唾液の治癒力がヴァンパイアは高いので。」


「なるほどねー!血は、吸わないと生きていけなの?」


由里が尋ねると、アキラはコクリと頷いた。


「定期的に吸血しないと極度の貧血になって、そのままだと…最後には死にます。」


「そうなんだ…。それで、この前は吸血できてなかったから体調悪くなってたんだ?」


「ですね。」


「そっか、ヴァンパイアなら、病院行くと何かしら面倒なことにもなりそうだしね。大変だったね。」


由里がそう言うと、アキラはホッとしたような表情で力なく微笑んだ。

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