ウチの居候ヴァンパイアくん。


由里が食べ終わると、アキラが洗い物をすると申し出た。料理をした時の鍋や包丁等がまだ洗わずに置いていたからだ。


「私が家主なんだから、私がするよ!」と由里が断わるも、どうしてもと言うので、二人でキッチンに立ち、アキラが洗い、由里がナフキンで水滴をふき取るという流れを作った。


「そう言えば、アキラ君、部屋の掃除してくれたよね?」


「…まぁ、軽く。」


「そうだよね!机の上もきれいになってたし、廊下もだけど、浴室とか洗面所とか、鏡までピカピカになってたし。本当にありがとうね!助かるよ。」


「それはよかったです。助けてもらったお礼してなかったから、これくらいはしようと思って。」


「ありがとうね〜。もしかして家事得意?」


「得意、ではないですけど、割と好きです。家事してる間、余計なこと考えなくて済みますし。由里さんは家事嫌い?」


「そうね、好きではないんだよなぁ。仕事してる方がよっぽど好き。」

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