ウチの居候ヴァンパイアくん。


「やっぱ…ダメ、ですか?」


シュン、と落ち込むアキラの様子を見て、由里は一瞬怯む。


「いや、だって…こーんな若い子がうちを出入りしてるところなんて見られちゃったら…」


由里がブツブツそう言うと、アキラは「はい?」と言った。


「俺、そんなに言われるほどには若くないですよ?」


「うっそ。だって18くらいでしょ?」


「え、俺24ですけど。」


「え!?あ、そうなの?てっきり高校生くらいかと…。」


「どんだけ幼く見えてるんですか、俺。」


そう言うと、アキラはまたクスクス笑った。


「由里さんっておもしろー。しっかりしてるようで、なんか抜けてますよね。」


「ちょっと、8つも年上の人に抜けてるって…」


「褒め言葉ですよ。可愛いなってことです。」


「かわ!?」


最近めっきり言われなくなった褒め言葉に撃ち抜かれた由里は、少しよろめいてキッチン台に手をついた。


「あははっ、やっぱりおもしろー」


「ちょっとアキラ君!年上をからかわないで!!」

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