ウチの居候ヴァンパイアくん。
真っ赤になっているであろう顔を片手で覆いながら由里が空いた方の手でアキラを軽く叩こうとした。
アキラはその手首を掴み、ニヤッとして言った。
「やっぱ決めた。俺、しばらくここに居させてもらいます。家事全般、しっかりやるんで任せてください。家にもお金はちゃんといれます。その代わり…」
「その代わり?」
「吸血させてもらえません?」
「吸血?どのくらい…?」
由里が不安気に聞いた。由里が不安になったのが分かったのか、アキラが慌てて答える。
「そんなには吸わないですよ。2日に1回吸血させてくれるのなら、この前みたいに、傷口から少し吸血できれば十分です。」
「うーん…」
由里が悩んでいると、アキラは「もちろん、変なことはしませんよ。約束します。」と言った。
由里はもう一度、うーんと悩んでから言った。
「まぁ、それならいいかな。」
「やった!」
アキラはそう言うと、由里の手を引き、そのままギュッと抱きしめた。