【短編】極上ヴァンパイアたちは薔薇乙女を溺愛中
***
そのまま特別寮に案内されると、寮の入り口部分に見知った男子生徒がいた。
「お、来たねヒナちゃん」
金髪碧眼の軽そうな雰囲気の咲さんだ。
交流イベントでは案内人をしてくれていたので、私の名前を覚えてくれていたらしい。
「あ、えっと……お邪魔します」
あの日はぐれるなと言われていながら離れたので少し気まずい気分で挨拶をする。
でも、咲さんは気にした風もなく面白そうに笑った。
「お邪魔しますって、これからはキミの住まいにもなるんだよ?」
「あ、そうでしたね」
突っ込まれて、誤魔化すように髪を耳にかける。
すると咲さんはスッと目を細め「それにしても……」と顔を近づけてくる。
スンッと軽く匂いをかがれ、数秒固まる私。
いきなり女の子の匂いをかぐって失礼じゃないかな⁉
若干引いた私に、咲さんは妖艶にも見える微笑みを浮かべた。
「うっわー、ヒナちゃん良い匂い。律に飽きたら俺んトコおいで」
冗談めかしているけれど、目が笑っていないように見えるのは気のせいだろうか。
その判断をする前に、律さんが咲さんの顔面をわしづかんで私から離した。
「咲、あんまりこいつに近づくな」
「何だよ、もう独占欲出しちゃってんの?」
「……そういうのじゃない」
楽しそうな咲さんに、不機嫌そうにしつつも気安そうな雰囲気の律さん。
ある意味じゃれ合っている様にも見える二人に挟まれ、私はどうすればいいんだろうと動けずにいた。
そのまま特別寮に案内されると、寮の入り口部分に見知った男子生徒がいた。
「お、来たねヒナちゃん」
金髪碧眼の軽そうな雰囲気の咲さんだ。
交流イベントでは案内人をしてくれていたので、私の名前を覚えてくれていたらしい。
「あ、えっと……お邪魔します」
あの日はぐれるなと言われていながら離れたので少し気まずい気分で挨拶をする。
でも、咲さんは気にした風もなく面白そうに笑った。
「お邪魔しますって、これからはキミの住まいにもなるんだよ?」
「あ、そうでしたね」
突っ込まれて、誤魔化すように髪を耳にかける。
すると咲さんはスッと目を細め「それにしても……」と顔を近づけてくる。
スンッと軽く匂いをかがれ、数秒固まる私。
いきなり女の子の匂いをかぐって失礼じゃないかな⁉
若干引いた私に、咲さんは妖艶にも見える微笑みを浮かべた。
「うっわー、ヒナちゃん良い匂い。律に飽きたら俺んトコおいで」
冗談めかしているけれど、目が笑っていないように見えるのは気のせいだろうか。
その判断をする前に、律さんが咲さんの顔面をわしづかんで私から離した。
「咲、あんまりこいつに近づくな」
「何だよ、もう独占欲出しちゃってんの?」
「……そういうのじゃない」
楽しそうな咲さんに、不機嫌そうにしつつも気安そうな雰囲気の律さん。
ある意味じゃれ合っている様にも見える二人に挟まれ、私はどうすればいいんだろうと動けずにいた。