【短編】極上ヴァンパイアたちは薔薇乙女を溺愛中
「それはだって……お前、怯えていただろう?」
「え?」
「この間俺の自制が利かなくて血を吸ってしまった後、緋奈は怯えていただろう? もう、怖がらせたくないんだ」
「……」
ウソを言っている様には見えない。
ということは、本当に私を気遣って優しくしてくれていただけ?
「正直、さっきだってお前の首筋に咬みつきたかった。手の傷から少量なんて、足りない」
「っ!」
口調にどんどん熱が込められて行くのが分かって……律さんがやっぱり私を――薔薇乙女を求めているのが分かってゾクリとする。
でも、悲し気に伏せた瞼がまた開いたとき、そこには愛情すら感じさせる優しさがあった。
「一度その味を知ってしまったから、尚更我慢するのに苦労した」
ということは、やっぱり律さんも私を狙っているということなんだろう。
怖がらせたくないから、積極的に迫って来なかっただけで。
「緋奈……俺の薔薇乙女。俺はお前が嫌がることはしたくない」
優しい微笑み。
でも、その澄んだ紫色の瞳に強い意思が宿る。
「でも本当はお前にもっと触れたい。咬みついて血を飲みたいし、髪に触れて、キスして、全部俺だけの緋奈にしたいと思っている。……それだけは覚えておけ」
「っ⁉」
あからさまな欲を言葉にされ、そんな欲を自分が向けられているんだと思うととてつもなく恥ずかしい。
ドッドッドッと心臓が大きく脈打って、どうしていいのか分からなくなる。
「え?」
「この間俺の自制が利かなくて血を吸ってしまった後、緋奈は怯えていただろう? もう、怖がらせたくないんだ」
「……」
ウソを言っている様には見えない。
ということは、本当に私を気遣って優しくしてくれていただけ?
「正直、さっきだってお前の首筋に咬みつきたかった。手の傷から少量なんて、足りない」
「っ!」
口調にどんどん熱が込められて行くのが分かって……律さんがやっぱり私を――薔薇乙女を求めているのが分かってゾクリとする。
でも、悲し気に伏せた瞼がまた開いたとき、そこには愛情すら感じさせる優しさがあった。
「一度その味を知ってしまったから、尚更我慢するのに苦労した」
ということは、やっぱり律さんも私を狙っているということなんだろう。
怖がらせたくないから、積極的に迫って来なかっただけで。
「緋奈……俺の薔薇乙女。俺はお前が嫌がることはしたくない」
優しい微笑み。
でも、その澄んだ紫色の瞳に強い意思が宿る。
「でも本当はお前にもっと触れたい。咬みついて血を飲みたいし、髪に触れて、キスして、全部俺だけの緋奈にしたいと思っている。……それだけは覚えておけ」
「っ⁉」
あからさまな欲を言葉にされ、そんな欲を自分が向けられているんだと思うととてつもなく恥ずかしい。
ドッドッドッと心臓が大きく脈打って、どうしていいのか分からなくなる。