【短編】極上ヴァンパイアたちは薔薇乙女を溺愛中
「ごめんな、姉さん。世羅とは契約する前から何度か会っててさ……」
悟志は申し訳なさそうに経緯を説明してくれた。
年頃のヴァンパイアはこの月虹学園で隔離されるように過ごしているとはいえ、数時間であれば申請すれば外出が可能だ。
その数時間の間に二人は出会って、その後も何度か逢瀬を重ねて思いを育んでいたらしい。
「元々契約はするつもりだったけど、あの日勢いで済ましてしまって……契約したらすぐにここに来なきゃならなかったみたいでさ」
だから直接知らせることが出来なかったんだと言う。
「でもスマホは? メッセージアプリには既読すらつかなかったけど……?」
「それが契約したすぐ後交通事故に巻き込まれそうになってさ、ケガとかそういうのは全くなかったんだけどスマホ壊れちゃって……」
SIMカードも破損していて新しいスマホにデータを引き継げなかったらしい。
「でも、他にも何か連絡手段はあるでしょ?」
誰かに伝言を頼むとか、学園の方から知らせてもらえるように頼むとか。
それすらなかったのはどうして? と聞くと、悟志は「え?」と目を丸くした。
「ポストに入っていただろ? 手紙」
「手紙?」
悟志が言うには、新しいスマホの番号と一緒に世羅さんと契約したので月虹学園に行くという内容の手紙を家のポストに入れておいたんだそうだ。
悟志は申し訳なさそうに経緯を説明してくれた。
年頃のヴァンパイアはこの月虹学園で隔離されるように過ごしているとはいえ、数時間であれば申請すれば外出が可能だ。
その数時間の間に二人は出会って、その後も何度か逢瀬を重ねて思いを育んでいたらしい。
「元々契約はするつもりだったけど、あの日勢いで済ましてしまって……契約したらすぐにここに来なきゃならなかったみたいでさ」
だから直接知らせることが出来なかったんだと言う。
「でもスマホは? メッセージアプリには既読すらつかなかったけど……?」
「それが契約したすぐ後交通事故に巻き込まれそうになってさ、ケガとかそういうのは全くなかったんだけどスマホ壊れちゃって……」
SIMカードも破損していて新しいスマホにデータを引き継げなかったらしい。
「でも、他にも何か連絡手段はあるでしょ?」
誰かに伝言を頼むとか、学園の方から知らせてもらえるように頼むとか。
それすらなかったのはどうして? と聞くと、悟志は「え?」と目を丸くした。
「ポストに入っていただろ? 手紙」
「手紙?」
悟志が言うには、新しいスマホの番号と一緒に世羅さんと契約したので月虹学園に行くという内容の手紙を家のポストに入れておいたんだそうだ。